ハードなトレーニングは免疫力を下げてしまうので気をつけましょう

新型コロナウィルスの感染が拡大しており、各地でスポーツ・文化イベントの中止や延期が相次いでいます。

スプリントでも、ご依頼をいただいていたランニングイベントの中止が続き、とても残念ですが、安全が第一。

少しでも早くこの状況が終息を迎え、またみんなが楽しくイベントに参加できるようになることを祈るばかりです。

今日は、少しでも参考になることがあればと思い、私たちトレーニング指導者の教育団体であるNSCAジャパンの機関紙に掲載された、アスリートのトレーニングと免疫力について書かれた記事を紹介したいと思います。

※先にお伝えしておかなければいけませんが、こちらで紹介する情報は、「感染症を100%防ぐ」というような内容のものではありません。身体を酷使するアスリートの免疫機能がトレーニングや生活環境によってどのような状態にあるかという記事を参考にして、免疫力がどんな時に落ちやすいのか知っていただく機会にしていただくものですので、その点をご了承いただきお読みいただければと思います。

日々研究に邁進され、私たちに有益な情報をお知らせいただく研究者の皆様に感謝の気持ちを持ちつつ、紹介させていただきます。

出典:免疫力 -SIgAが免疫力の大きな鍵を握っている-

はじめに
アスリートはより高い競技パフォーマンスを獲得するため、日常より過度な運動の実施が求められる。しかし、過剰な負荷で長時間・高頻度の運動を実施すると競技パフォーマンスの低下や慢性的な疲労が誘発されるだけでなく、上気道感染症(風邪やインフルエンザなどの感冒)への罹患のおそれもある。日常のトレーニングや試合本番を万全な体調で臨むためには、上気道感染症の回避は必須であり、早い段階で予防策を投じるべきである。本稿では、アスリートにおいて免疫機能の低下を招きやすいシーンや免疫低下のサイン、さらに免疫低下の対策について紹介する。感染の予防リスクを下げるための手法を把握しておくことは、アスリートのコンディショニングの観点において非常に重要である。

清水和弘 Ph.D., 鍼灸あん摩マッサージ指圧師, JATI-ATI, 健康運動指導士, スポーツプログラマー, 国立スポーツ科学センタースポーツ研究部研究員. Otsuka & NSCA Japan Sports Nutrition Academy. Volume 26, Number 1, pages 18-23. ©️NSCA JAPAN

この記事を書かれている清水さんのお話は、以前基調講演でも拝聴し、質問もさせていただきました。記事の内容は、私たちストレングス&コンディショニング専門職向けですので、難しい言葉が使われていますが、要約して紹介したいと思います。

過度な強度・時間の運動は免疫力を下げる

記事の中で、運動習慣のない人と比べて、中程度の強度・運動をする人の免疫機能は高く風邪などにかかりにくいが、過度な強度・時間の運動をする人の免疫機能は低くなり、風邪などにかかりやすくなるというNiemanらの提唱が紹介されています。そのグラフは「J」の形になるので、J-shaped modelと言われるそうです。

つまり、日々ハードなトレーニングをしているアスリートは、免疫力も低下しやすく、風邪やインフルエンザにかかりやすい状態になっているということです。

免疫力が低下しているかどうかの判断をするために使われる目印として「SIgA(分泌型免疫グロブリンA)と言われるものが紹介されていますが、唾液や鼻汁、汗、乳汁などの分泌液にあって、病原体からしたら体内に入る第一の関門「粘膜」で病原体が体内に入ることを防いでくれる役割があるそうです。

アスリートの生活の中で言うと、激しい運動や高地での滞在やトレーニング、脱水を伴う減量、無月経のアスリート、飛行機などでの長距離移動といった条件の場合に、この「SIgA」が低下しやすいそうです。

私たちの生活でも気をつけること

ランニングやトレーニングをしている人、食べたり飲んだりしないで無理な減量をしている人、仕事上飛行機などでの長距離移動がある人も、このことは参考にしていただけるかと思います。

この時期は、少しトレーニングの種類や強度、時間を調整しながら継続するのが良いかもしれませんね。

トレーニングはその内容を調整し、バランスの取れた食事や休養、睡眠、水分補給、そして移動中の口や鼻の周りの保湿、一般的に言われている感染予防策など、日常生活の中で免疫力を下げてしまう場面が出てきそうな場合は、気をつけて過ごしましょう。

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