ランニングパワーがわかるとトレーニングもパフォーマンスも変わります

みなさんはランニングやマラソンのトレーニングで、強度をどのように見ていますか?多くの人は、ペースや心拍数を強度として見ていると思います。特にペースはイメージもしやすく、マラソン大会では目標タイムに対するペースを決めて準備をするのに参考になります。

そして心拍数も、自分の限界に対してどの程度強い運動になっているのかをモニターすることができます。

しかし、このペースや心拍数は、実は「真の強度」として最も信頼できるものではないと言えます。では何を「真の強度」として走れば良いのでしょうか。

トレーニングの強度とは?

多くの人が使っているペースや心拍数は、気温、風、勾配など、環境の影響を受けて変動します。また、心拍数はコンディションや緊張の度合いによっても変わるため、今やっている運動のリアルな強度をモニターするには、とても不安定な数字だと言えます。

他にも、10段階や20段階でキツさの程度を示す自覚的運動強度(RPE)というものや、安静時の何倍のエネルギー消費かという代謝当量(METs)という運動強度があります。私たちトレーニング指導者では、最大酸素摂取量の何パーセントかという心拍数やペースに置き換えてプログラムを作ることがほとんどでした。

しかし、ランニングウォッチなどのウェアラブルも進化しており、最近ではランニングパワーの計測ができるモデルやセンサーが出てきており、より正確な「強度」をモニターできるようになってきました。

環境の影響を受けにくい「パワー」

最近では、ランニングウォッチなどのウェアラブルも進化しており、心拍センサーやGPS、加速度センサーなどを搭載した時計やセンサーが出てきています。それにより正確な「強度」をモニターできるようになってきました。

その中でも、「パワー」の計測は最も正確な「強度」のモニターができるため、マラソン完走やタイムの更新を目指す人には是非注目してもらいたいものです。

「W(ワット)」の単位で表されるパワーは、すでに自転車の世界では活用されており、パワートレーニングと呼ばれています。トレーニングだけではなく、レースの時もパワーをモニターし、どこまでセーブしてどこでアタックするかなどの戦略に役立てられています。

このパワーが活用される理由としては、心拍数やペースのように気温や風、勾配などの環境の影響を受けずにリアルタイムで選手が発揮している努力の度合いをモニター出来ることにあります。

マラソンでのパワーやその他の数値

では、実際に走っている時にパワーやその他の数値はどう変化しているのでしょうか?

 下のグラフは、私が2019年の大阪マラソンを走った時のパワーと心拍数の1km毎の平均値を並べたものです。タイムは4時間7分とサブ4には届きませんでした。平均パワーは254W、平均心拍数は169bpmです。

 青い棒グラフがパワーで赤い折れ線が心拍数です。スタートからしばらくは下り基調のコースだったためパワーも低めですが、その後ややアップダウンのある平坦基調でパワーも横ばいという感じです。しかし、心拍数は距離が増す毎に少しずつ上がってきています。しかも、普段のランニングの同じペースの時よりもやや高めだなと感じました。

 そして後半では25km過ぎで平均パワーより下回る区間が多くなりました(29kmの区間ではトイレに寄りました)。他にも補給ステーションで飲み食いしながら歩くこともあったため、パワーが落ちている区間が目立つようになっています。しかし、心拍数はやや変動しながら上がり続け、ゴールでは180bpmまで上がりました。

大阪マラソン2019でのランニングパワーと心拍数の経過

次のグラフは、同じくパワーとスピードの変化です。スピードは、1kmのペースから時速に変換してあります。

特に後半では、25km過ぎから28kmあたりまでが登りになっているのが、その下のコース図内にある高低差のグラフを見るとわかりますが、ここでは後半低下してきているパワーがまた上がっているのがわかります。ですが、25kmの区間の速度よりも、28kmの区間の方が高いパワーを発揮しているにもかかわらず、スピードは落ちています。

このように、登り区間ではパワーは変わらないか上がっていても、スピードは落ちます。この発揮しているパワーが今の自分の努力の度合いです。登りでスピードが落ちないようにパワーを上げて走ると一気に体力を消耗してしまいますが、スピードよりも発揮しているパワーを見ていれば、その先にもしっかりと体力を残しておくことができます。

大阪マラソン2019でのランニングパワーとスピードの経過
大阪マラソン2019コース図:大会ウェブサイトより

そして最後のグラフは、パワーとケイデンスのグラフです。ケイデンスはピッチのことですが、ポラールのデバイスでは、ケイデンスとして表示されます。1歩ごとではなく、2歩で1サイクルという数え方になるので、数値も90前後になっています。

このケイデンスは、スタートからゴールまで、ほぼ横一直線になっているのがわかると思います。ケイデンスはあまり変動がないけど、前のグラフのように後半のスピードが落ちているということは、ストライドが低下しているということが考えられますね。後半のパワーも前半より低下しているので、パワー発揮が低下し、ストライドが小さくなってスピードが落ちているということがわかります。後半でもパワーの発揮を維持することができていれば、ストライドを維持することができスピードを落とさずに走り切ることができたはずです。

大阪マラソン2019でのランニングパワーとケイデンスの経過

トレーニングでパワーを活用する

このように、ランニングパワーをモニターできれば、自分の努力の度合いをリアルタイムで把握することができます。

トレーニングでは、目的に応じてパワーのゾーンを決め、継続的な低強度のランニングやインターバルトレーニング、さらに高強度のスピードトレーニングをおこないます。トレーニングの強度を決めるには、テストをおこなってFTP(Functional Threshould Power:1時間持続できる最大の平均パワー)を測定しておくと良いですが、ポラールのデバイスでは、ランニングテストによってトレーニングゾーンを自動で設定してくれたりします。

目的に合った強度できっちりトレーニングが積めれば、以前と同じパワーの発揮で走ってもスピードが上がり、心拍数もこれまでほど上がらなくなってきます。つまり、効率よく走れるようになりランニングエコノミーが改善していきます。特にベテランランナーやエリートレベルのランナーでは、最大酸素摂取量はほぼ限界まで高まっており、トレーニングではそれ以上向上していきません。その代わり、ランニングエコノミーを改善してパフォーマンスアップを目指す必要があります。

その際にとても重要になるのが、ランニングパワーを使ったパワートレーニングです。是非これからのランニングに、パワートレーニングを導入してみてください。もちろん、ランニングを始めたばかりの人も、ランニングパワーを見ながら走っていくことでそれが習慣になり、今の自分に適した強度でトレーニングができますので、参考にしてみてください。

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