「怪我の予防」に最も効果的な方法は?
東京マラソンまでもう少し
他にも各地でマラソン大会が開催されており、シーズン真っ直中といった感じですが、みなさん怪我無くランニングを楽しまれていますか?
今日は怪我の予防について
「障害」と「外傷」
まず、ひと言で「怪我」といってもこの2つに分けて考えなければいけません
「障害」これはカラダのある部分へのストレスの繰り返しや使いすぎ(オーバーユース)で起きる慢性的な痛みの「怪我」を指すものです
例えば、ジャンパーズニーや鵞足炎、腸頚靱帯炎、足底筋膜炎など
「外傷」これは、突発的なストレスによって起きる「怪我」を指すものです
例えば、肉離れやアキレス腱断裂、捻挫、脱臼、骨折など
この中でランナーの皆さんに特に多いのは、慢性的な「障害」ですね
その予防方法として「ストレッチ」はとても一般的なものですし、バランストレーニングなどの固有感覚受容器のトレーニングをおこなう方もいらっしゃいます。そして、筋力トレーニングをやる人やらない人、これは賛否両論あるのが現状です。
そんな中、「ストレッチ頑張ってやってるのに、傷めちゃったよ〜」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
怪我の予防に効果的な方法とは?
ランナーにとって怪我は大敵、もちろんスポーツ全般や日常の生活でも、怪我は出来るだけしたくないものですね
では怪我を予防する方法にはどんなものがあるのでしょうか?
今日は、怪我の予防策として一般的なストレッチ、固有感覚受容器(バランス)のトレーニング、筋力トレーニングの3つの方法について検証されたものがあったので紹介したいと思います
これは、これまで世に出た複数の論文(この研究では25本)の情報を集めておこなわれる方法で、「ある論文でこはこう言われてるけど、ホントのところどうなの?」という時にとても役立ちます
こういった研究では、1つの論文の結果だけでは「言い切れない」ことが多いため、この手法の分析は、より客観的に見るためにも、とても重要になります
Lauersen JB, et al. Br J Sports Med 2014;48:871–877.
The effectiveness of exercise interventions to prevent sports injuries: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials
スポーツ障害を予防するためのエクササイズ介入による効果:ランダム化比較試験によるシステマティックレビューとメタ分析【この中で述べられた結論をまとめると】
ストレッチには怪我を予防する効果は見られず、固有感覚受容器のトレーニングや筋力トレーニングには怪我を予防する効果があるということがわかった
適切な筋力トレーニングをおこなった場合では、「外傷」を1/3に減らし、オーバーユースによる「障害」を50%に抑える効果があった
もちろん、だからと言って「ストレッチはやらなくて良いですよ〜」という事ではありません
より効果的な筋力トレーニングをするにも、「可能な限り大きな可動域」のための柔軟性というのは必要になりますし、大きな可動域でしっかりとトレーニングをするためには、ストレッチは重要ですので、それぞれを上手く活用してバランス良くトレーニングすることをおススメします
※こういう研究の情報を紹介している、フランスのスポーツ科学者Yann Le Meurさんのツイッターは、イラストがとても面白いし、役立つ情報をたくさん提供してくれます。今回紹介した研究も、この@YLMSportCienceで紹介されていたものです
Best exercise interventions to ↘️ sports injuries? ▶️ Proprio & Strength Training 💪 https://t.co/8S66RNahFd pic.twitter.com/sJA6zD1jtF
— Yann Le Meur (@YLMSportScience) 2016, 2月 8