ランニングやトレーニングはどうやって再開すれば良いか|自粛生活からのリトレーニング

緊急事態宣言の解除が発表され、段階的ではありますが、少しずつ外出自粛の生活も元の生活へと戻っていきそうですね。

「新しい生活様式」という言葉もありますが、まだまだ感染予防には注意が必要ですし、これまでのテレワークなどの働き方は、いくらか継続されて新しい生活様式が出来上がっていくことでしょう。

今までも長くランニングを続けてきた人や、ここ最近で始められた人も多いと思いますが、「続けていたけど以前よりは少なくなった」という人も多いのではないでしょうか?

そこで今日は、ランニングやトレーニングをどうやって再開すれば良いか、自粛生活からの安全な「リトレーニング」について紹介したいと思います。

50/30/20/10ルール

このルールは、トレーニング指導者の教育機関である、NSCAジャパンから発表されたガイドラインで紹介されたものです。下の記事が原文となっていて、それをわかりやすくまとめた物が配信されました。

不活動後の移行期にトレーニングに安全に復帰するためのCSCCaとNSCAの合同総合ガイドライン CSCCa and NSCA Joint Consensus Guidelines for Transition Periods Safe Return to Training Following Inactivity

Anthony Caterisano, Donald Decker, Ben Snyder, Matt Feigenbaum, Rob Glass, Paul House, Carwyn Sharp, Michael Waller, Zach Witherspoon.

Strength and Conditioning Journal
Volume 41, Number 3 pages 1-23.より

私が指導しているアスリートやチームにも、これをもとに選手の皆さんにも自身で判断してもらえるようなガイドラインを作成して配布し、トレーニングを再開する際の参考にしてもらっています。

自粛生活では、ランニングやトレーニングは思い通りには出来ません。これまでランニングやトレーニングをしていた人たちに起きるのがトレーニングを中止した時に起きる「ディトレーニング」です。ディトレーニングの状態では、トレーニングを続けていた時と比べ、体力が低下します。

ディトレーニングは、どんなトップアスリートであっても起きます。

体力が低下した状態から、元の体力を取り戻そうと急に頑張ってしまうと、怪我のリスクが高くなってしまいます。これは、通常のトレーニング期間でも同じで、トレーニングの刺激が急激に高くなってしまった時に、痛みが出てしまったり、怪我をしてしまったりします。

下のグラフは、2つのケースの再開の目安ですが、ケース1はトレーニング経験が豊富なアスリートが、長期間の休暇などから再開するケースです。そして、ケース2はトレーニング初心者の人や、アスリートで熱中症や筋肉が壊れてしまうような疾患を経験した人が復帰するまでのケースです。

トレーニングを適切に再開(リトレーニング)出来れば、また元の体力を取り戻していくことが出来ます。

それでは、リトレーニング1週目から見ていきましょう。

1週目 トレーニング時間を50%にする(-50%)

まず1週目ですが、バリバリ走れていたという時の「50%」の時間でおこないます。もちろん、ペースも以前ほど速く走ることは出来ないと思いますので、調整をします。

例えば、これまでは60分(10km)のランニングを週3回。合計180分(30km/週)走っていた人は、1回あたり30分(または5km)にして走るようにします。この時のペースは以前60分(10km)を走っていた時よりキツくならないようにしましょう。

他にも、ランニングとウォーキングを交互に繰り返すのも、無理なくランニングを再開するのにおすすめです。また、強度(ペース)の高いインターバルトレーニングなどをやられていた人であれば、インターバルのセット数を減らしたり、ペースを落としたり、少し休息時間を長めにとることも必要です。

2週目 トレーニング時間を70%にする(-30%)

2週目に入ったら、時間を以前より30%減らしたの70%まで戻します。1週目の例でいくと、合計126分が180分の70%で、3回走るとしたら約40分です。距離にしたら約7kmですね。

もちろん、ペースは同じく無理のないペースにします。

3週目 トレーニング時間を80%にする(-20%)

3週目に入ると、少し慣れてくることもあり、焦って元に戻しがちですが、焦らずにいきましょう。

ちなみに、長期間のトレーニング経験があるトップアスリートや普段からトレーニング量も多かった選手たちは、3週目で100%に戻す方法をとりますが(上の図のケース1)、ご自身のこれまでのランニング経験やトレーニング状況と相談しながら決めていってください。

1週目からの流れで行くと、
180分の80%は144分(24km/週)になります。3日に分けてキリを良くするなら約50分(約8km)ですね。

4週目 トレーニング時間を90%にする(-10%)

そして4週目。

90%は162分(27km)、3日に分けると約55分(約9km)になります。
距離で見ると、ここまで1週間で1日あたり2-1kmずつ増やしてきています。

5週目 トレーニング時間を100%に戻す

5週目には元の時間や距離に戻していくようにします。

これが50/30/20/10ルールに基づいた走る量(時間や距離)の調整方法です。本当は、ペース配分(強度)などもさらに細かく設定するのが良いですが、心拍数を見たり、自分で感じる「きつさ」を参考にしてもらえれば、安全に元のランニング生活に戻っていただけますので、是非参考にしてみてください。

筋力トレーニングなども少しずつ再開しましょう

今回は、ランニングの量(時間や距離)を3-4週間かけて元に戻しましょうということを紹介しました。もちろん、筋力トレーニングでも、この50/30/20/10ルールを適用して再開していきますが、他にもダイナミックストレッチや筋力を回復させるような補助エクササイズに多くの時間を費やすことも大切だということがガイドラインの中では示されています。

急に元のスピードや重さ、ワークアウト時間に戻すのではなく、少しずつ慣らしていくようにして、怪我をせずにランニングやスポーツを楽しんでいただきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です