ランニングで脚力強化はできるのか?|長距離のランニング(だけ)をやりすぎると筋肉は落ちる?!
「走行距離」を追い求めることの弊害
良く色々なところで「ランニングで脚力アップしたいです」という言葉を耳にします。昔からこういうことが言われていて、それが今も言い伝えられたりしていますが、果たして本当でしょうか?
そこに私がいつも疑問を感じる理由は、
長距離選手の中で、脚力が強い人を見たことがほとんどないからです。
むしろ、「長距離のトレーニングだけ」をたくさん、そして長く続けていくと以下のような適応が起きます。
ランニングでは、ストレスによるコルチゾール分泌が一因となって、筋からのタンパク質の損失が起こる場合が多い。
(中略)
長期的な多量のランニングによる異化作用は、筋の分解やパワーの減少を引き起こす。走行距離の長いランニングトレーニングをこなしているトップレベルの長距離走競技選手では、10cm前後しかジャンプできない例も珍しくない。
NSCA決定版ストレングス&コンディショニング第3版
第6章「有酸素性持久力トレーニングプログラムによる適応」より引用
ここに、「ストレス」や「コルチゾール」という言葉が出てきています。
ランニングや筋力トレーニングなどの運動は全て、カラダに「ストレス」を与えています。
そして、カラダの中では一時的な「ストレスに対する応答」が起きて、色々な役割をもつ「ホルモン」が出てきます。その内のひとつがコルチゾールというものです。
コルチゾールというのは、アミノ酸を炭水化物に変えたり、タンパク質を分解するためのサインを出すホルモンだとされていて、例えばケガをしたときや治療のために固定したりすると出てきます。そして、長期的にこの状態が続くことで(適応といいます)、筋肉を小さくして筋力を弱くしてしまうとされているんです。
こういった「応答」が続いていくと、例えば「月に400km」などと走行距離を求めてしまうランナーは今もたくさんいますが、コルチゾールが出る状態が長く続いて、筋肉が小さくなって筋力が落ちてしまうというような「適応」が起きてしまうんですね。
フルマラソンを完走するなら、月に80kmくらい走っておければ大丈夫です。
それでも市民ランナーにとっては結構な距離でもあります。
それに、月の走行距離が200kmを超えたあたりからは、あちこちに「痛み」を抱えるランナーが増えてきます。
だから、目安は80kmから200kmを超えない程度までという走行距離の設定で良いと私は考えています。
脚力は筋力トレーニングで
以前のブログで、トレーニングの3つの原則についてお話しましたが、カラダは与えられた刺激に対して強くなろうとします(特異性の原則)。
だから、脚力をつけるならば、「脚に対して強い負荷をかけて強くする」のが一番で、その代表格が「スクワット」です。
他にも「デッドリフト」もとても良い種目としておすすめですし、片脚スクワットや臀部・ハムストリングスをしっかり鍛えられるヒップヒンジ系の種目もランナーにはおすすめです。
ランニングはあくまでも、心臓や肺の機能を強くしてくれて、長距離に強い筋肉のエネルギー再生産能力を改善してくれて「持久力」を高めてくれるトレーニングですので、何もやっていなかった人が始めれば、ある程度は脚力もつくかもしれませんが、ランニングが習慣になってくると、話は変わってきます。
ある程度のレベルから「さらに上を目指したい」というランナーにとっては、筋力トレーニングがとても重要だと言えます。
ランニングと筋力トレーニングの組み合わせがおすすめです
そこでオススメなのが、筋力トレーニングとランニングの組み合わせです。
コンカレントトレーニングと呼ばるこの方法で、ランニングのスピードと燃費が良くなり、効率的に走れるようになります。特に大学や実業団など、トレーニングに1日を費やせる場合にどちらを先におこなえばさらに効果的かなどはわかっていますが、市民ランナーであればその日にやるのはランニングか筋トレのどちらかになると思いますので、ランニングの日と筋トレの日をうまく決めておこなっていただきたいと思います。
基本的には、ランニングなどの持久的な活動を先におこない、4時間から6時間の休息を空けて筋トレをおこなうという方法が良いようです。
ただし、「長距離だから軽い負荷で浅いスクワットを100回とかやれば良い」とはならないようにしてください。
基本は、例えばスクワットなら「けっこう重たい重りで(5回くらいできる重さ)で5回を3〜5セット。休憩は2分」です。つまり、高強度の筋力トレーニングをおこなう必要があります。
「筋肉ムキムキになっちゃうし重くなる」
ということもありませんのでご安心ください。
ランニングなどと組み合わせてやっていると、そもそも筋肉は大きくなりづらいですし、体重も増えないということが確認されています。
上に書いたようなトレーニングは、筋力は強くしてくれるけど、筋肉を大きくするほどではありません。
しかも、さきほど出てきたホルモンの応答はというと、「同化ホルモン」という筋肉を作ってくれるようなホルモンが出てきますので、運動とお休みを上手く調整できれば、カラダに良いことをしているつもりなのに、「いつも脚の痛みに悩まされる」ということもなくなるでしょう。
※この「同化ホルモン」達は、「軽くてたくさん繰り返すような筋トレ」ではなかなか出てきてくれません。
もちろん、ランニングトレーニングと筋力トレーニングの割合を決めたり、重たい重りで筋力トレーニングをやる場合は、私たち専門家と一緒に進めて行くのが一番ですので、いつでもお気軽にお問い合わせください。
スプリントのパーソナルトレーニングHERCULES CAVEでは、通常60分でおこなうパーソナルトレーニングに加え、30分で1種目に集中しておこなっていただける「30分シリーズ」のプログラムもご用意があります。
特にスクワットやデッドリフトのプログラムは、脚力アップにつながるトレーニングとして活用いただけます。さらに、バイクを使ったHIITもランニングでの脚への負担を軽減しつつ高強度の持久力トレーニングができ、脚力アップも期待できます。
※スキーエルゴを利用した30分トレーニングをご希望の場合は、「30分でHIIT」でご予約いただき、トレーニング同日にスキーエルゴをご希望の旨お伝えいただければ大丈夫です。





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